山の広さを知る大雪山縦走。旭岳からトムラウシ山を2泊3日テント泊で。
18日に斜里岳を楽しんだお客様と今度は大雪山へ。
姿見の池から入山。池の湖面に逆さに旭岳が写っていました。
旭岳山頂はガスの中の到着になりましたが、すぐに青空が顔を出して切れ目切れ目に展望も。裏旭の急斜面を下り、角度が緩くなる辺りからは残雪。テントサイトのあたりからはお花畑。お鉢平から白雲岳の間も次々に現れるお花畑に目を奪われます。
白雲岳分岐から降っていくと、見慣れたどっしりとした白雲岳避難小屋の姿はなく、建て替えの真っ最中。多くの作業員の方々と複数の小型重機が目を引きます。テントサイトもコンテナハウスが建ち並び、テントはその一つの周りに張ることとなっていて管理人に場所を指示されます。受け付けは一番奥のハウスで、トイレは従来のままで紙などは投げ込まないように。
天気予報では3日目の朝が荒れる見込みなので、2日目にヒサゴ沼までの計画を南沼まで一気に抜けることに変更。2日目に早出することにしましたが、朝からとても良い天気。
トムラウシ山はもちろん、十勝連峰、夕張岳、日高山脈、東大雪の山々の大パノラマ。
高根ケ原を進んでは振り返りここまでの道のりを辿るたびに広さを感じます。
忠別岳に至るとトムラウシ山もぐっと近くに感じます。まだまだ遠いのですが。
五色岳を越えるあたりから雲がかかりはじめました。化雲岳で行程の最終確認。行動時間、気力、体力、天候の変化を考慮して南沼まで抜ける行程を続行することに。
ヒサゴ沼の避難小屋は昨年(2019)改築されています。今回は遠くから見るだけ。日本庭園あたりからガスと小雨が断続的に。ひどく濡れるほどでもなく、雨具を着たり脱いだり。
北沼に着く頃にはガスも抜けて展望が楽しめるようになりました。
トムラウシ山に到着。一息にやってきました。気を抜かずに南沼テントサイトに。
テントを立て終わるのを待っていてくれたかのように雨になりました。タープを張ってキッチンに。
3日目は雨の中ですが下山の行程だけになっているので気持ち的には楽。時折風もありましたが警戒していた強風にはならず、ガス雨のなか潤いに満ちた花々を見ながらの下山になりました。泥道を危惧していたカムイ天上もその標高では降雨が少なかったのと、何より木道整備が進んでいて快適に下山できました。トムラウシ短縮路登山口に下山。看板の地図で振り返っても広い大雪山でした。
2日目は12時間の長時間行動に変更しましたが、計画書には盛り込まなかったものの停滞もできるよう食料や燃料も用意してありました。今回は2日目が好天であること、お二人がリピーターのお客様で体力や技術がわかっていたからできた変更でした。お二人も行動計画など詳細まで調べてあったので変更にも賛成いただきました。COVID-19で催行がどうなるかという時期もありましたが、素晴らしい大雪山を楽しむことができました。
(滝澤:JMGA登山ガイドステージIII)