少ない積雪でササやハイマツに苦しめられると想定しての知床岳でしたが、行ってきました。山頂までは天気も持ってくれて、今年最後になるでしょう、流氷も眺めることができました。
相泊から夜明け直前に歩き出し。2週間前は雪で埋まっていた番屋前の昆布干し場はすっかり石が出ています。国後島からの朝日を浴びながら進みます。
数日前まで暖気が続いていましたが前日までの2日間は雪で気温も下がってくれたため、カモイウンベ川の水量は少なく助かりました。
海岸線から一段上がってしばらくはネマガリダケが立ち上がってヤブ漕ぎ。徐々に雪が出てきてようやくスノーシューを装着。森の中には真新しいヒグマの足跡がついてます。
前回来た時にすでに落ちかかっていたスノーブリッジはすでになく、渡渉点を探して。こちらも水量は少ないため難なく渡れました。
予想よりも青空が広がってくれて気持ちの良い山登りに。
国後島の間の海を漁船が行き来していて春を感じます。
急な尾根筋はアイゼンに履き替えてショートローピングで確保させてもらいました。台地に上がってからは再びスノーシューで。
山頂は風が強く雲が走っていきます。雲間に知床岬方面や流氷が広がっています。
名残惜しいですが天候が崩れてくることがわかっているので下山開始。
雲が台地を覆って時々視界がなくなります。急な尾根はやはりアイゼンとショートローピングで。途中から雨になりました。
早朝からの長時間の行動や新しいザックのフィッティングがよくなかったことなどからクライアントのペースが上がらず、ショートローピングでペースをつくりました。が、日没でヘッドランプ行動に。平坦部では融雪で深くなった沢型を迂回などしながら下山。最後の渡渉は下山が遅くなったことが幸いして引き潮になっており、波打ちを簡単に渡ることができました。
海岸線近くのササや台地手前の尾根のハイマツなどが立ち上がってきましたからカモイウンベ川ルートでの行動はヤブ漕ぎがだんだんときつくなっていきます。時間がかかることを見込んでテント泊でのプランニングも可能です。もっともテント泊の場合は3密(密閉、密集、密接)をどのようにクリアするかですが、、、いろいろ考えられますのでリクエストお待ちしてます。
(滝澤:JMGA登山ガイドステージIII)