冬、積雪期だから楽しめる斜里岳を一泊二日で満喫してきました。
根北峠からなだらかな樹林帯をまっすぐにパンケニワナイ川へ。天気が良いのでリスやらカラ類やらも賑やかです。パンケニワナイ川は暖気の時に積雪の上を水が流れて掘れています。部分的に河床まで出てました。今年は雪が少なく南斜里岳の尾根も細かい藪が隠れ切らずスキーにはうるさい状況。今回のルートはそれに加えて南斜里岳の手前から東斜里岳を降りるまでスキーの出番はないのでスノーシューでした。
下から観察していてわかっていたとはいえ南斜里岳の手前からハイマツが立っていました。山頂の三角点も露出。まあ、この三角点のてっぺんはたいてい見えているのですが、地表まででているのはちょっと。
その先の岩場も氷雪が付いていないのでアイゼンとピッケルというよりは枝を掴んでクリアとなりました。
1508m峰近くの尾根までくると摩周湖や屈斜路湖、斜里平野とオホーツク海が広がります。斜里岳方面に尾根を下って本日の泊地を選定。いつもなら雪洞が掘れるところもやっぱり雪不足。すぐに中身のハイマツやダケカンバが出てきます。それを見越してテントを持ってきていましたが、平地を作るのに雪を集めるのも一苦労でした。山頂を見える位置にテントの入口が向きました。ベンチレーターからは標津の街の明かりが見えていました。
夜半より風が強くなりテントの壁が押されます。雪が少なくブロックも積めませんでしたが、このくらいは天気予想済み。バーナーとクッカーが接続できるジェットボイルのおかげで、風で煽られるテントの中でも比較的安心してお湯が沸かせます。パンケニワナイ川の源頭部に射した朝日に氷が光っています。(トップの写真)
斜里岳山頂へ続く尾根筋は例年より雪が少なく、吹き溜まりなども少ない状況。滑落するとシャレになりません。山頂も地表が露出していました。海別岳と知床連山、国後島、標津山塊と野付半島、摩周湖、阿寒の山々、屈斜路湖、オホーツク海と展望が効きました。
下りにかかると日の出からさほど時間が経っていませんでしたが朝から気温が高いのでアイゼンの効きが悪くなっていきます。さらに予報どおり風が強くなり風力6-7に。東斜里岳の前後では時々耐風姿勢をとりました。例年より少ない積雪のためでしょう、ハイマツの葉の先が枯れているのが目につきました。
今シーズンは条件が良くなかったですが、知床半島基部から北海道内陸部をつなぐ場所の展望を楽しむことができるルートですよ。
(滝澤:JMGA登山ガイドステージIII)