今年の夏山シーズンから十勝連峰の美瑛富士避難小屋で携帯トイレをつかうシステムを試験的に行なうことになり、携帯トイレブースがすでにある先進地として羅臼岳の状況について紹介するよう依頼いただき講演してきました。
(写真は講演中の 山のトイレを考える会 愛甲事務局長)
講演は知床山考舎の滝澤の他に、今回の美瑛富士での取り組みをおこなっている「山のトイレを考える会」の小枝副代表、愛甲事務局長、仲俣委員。もう一つの先進地事例として利尻山の取り組みを環境省稚内自然保護官事務所の中島自然保護官がおこないました。
滝澤からはガイドの立場ということで、携帯トイレはゲストの体調管理に必要なツールであること、トイレのタイミングをうまく設定することでスムーズな山行ができること、わかりやすい説明が不可欠であること、を伝えました。また、清掃など維持管理する立場からは、販売〜使い方〜回収までのシステムとそのための組織、効果的なメンテナンス体制ができるような工夫、わかりやすい資料などの準備することで理解を得られる工夫を話しました。
何のために携帯トイレを使うのか、どこで入手できるのか、どこでどのように使い、どこでどのように廃棄するのか、などをわかりやすく、マニュアルや啓発資料、掲示物を用意することで、使う側も使ってもらう側も販売する側も処理する側も不安や誤解なく安心してもらえると考えます。
特に事前に打ち合わせしたわけではないですが、他の二者の講演でも、維持管理していくための組織は、行政や組織、団体間の意思疎通を継続的に行っていくことでモチベーションが維持できる、という要素が盛り込まれていました。
参集範囲が地元の宿泊施設や観光関係者、行政担当者ということで、携帯トイレ使用は未経験で見るのも初めての方々ばかり。羅臼岳で使ってきた携帯トイレブーステントと対応便座も設置して雰囲気がわかるようにしてみました。また、使い方のレクチャーととともに中身入りも作って重さなど持った感じも体感していただきました。あっ、中身は私の飲みかけのコーヒーでしたからご安心を。
美瑛富士でのシステムがうまく機能して快適な登山環境ができるように期待しています。
(滝澤)