北海道山岳連盟自然保護委員会に「知床のトイレ事情」というお題でご依頼いただき、日高町にある登山研修所で講演してきました。
2013年秋に羅臼岳岩尾別コース銀冷水に携帯トイレブースが建設され、携帯トイレ使用を行ってきている羅臼岳の状況について1時間講演しました。
「1.羅臼岳での経過と現状」として羅臼岳の状況とブース建設までのアンケート調査や銀冷水に建設した理由、ブースの特徴として新設計の便袋バケットとそれから派生した男性用バケットについて、また、残念ながらいまだに利用していない方も多いことをお話ししました。
「2.ツールとしての携帯トイレ」として排泄の生理について、また、排泄のタイミングを設定することでスムースな山行ができることをお話ししました。
「3.トイレ管理の課題」として組織やメンテナンスについて、また、今後さらに広く情報を発信していくためのツールとして期待しているものとして知床オリジナルパッケージを斜里町の安田商事(株)様が計画中であることをお話ししました。
質疑応答と合わせて実際に携帯トイレの使い方の例をお湯を入れて説明してみましたが、男性の場合のよくある失敗例とその解決策については男女ともにうなずかれている方やなるほど、という声が聞こえたことから、悩んでいた方が多かったのかと感じました。
普段の山行で携帯トイレブースがなくても、ツールとして携帯トイレを積極的に使うことで快適な登山と登山環境をつくっていけること、羅臼岳の場合は銀冷水にブースがあるので、トイレのタイミングをそこに合わせて計画していただきたいことを最後に伝えて終了しました。
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知床山考舎では2003年の開業当初から携帯トイレを使用してきて、羅臼岳で回収システムをスタートする2008年からはアンケート調査への協力やシステムへのアドバイス、またブースの清掃など実務の業務などを行ってきています。これらのノウハウを生かした新設計のバケットの提案などもさせていただいています。今回のような講演についてもお問い合わせください。
(滝澤)