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2024.4.24 羅臼岳

登山口までの道路が開通したので羅臼岳へ。雪は少なめですが、まだまだ冬山です。

4月18日に開通予定だった斜里町道岩尾別温泉道路は天候不良などで22日に今シーズンの開通。とはいえその後も天気も良くなかったのですが、24日は朝から快晴。

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登山口周辺の雪もなく登りはじめてから650m岩峰までも雪が断続的にある程度。例年なら登山口からすぐに雪の斜面になって、ところどころ登山道が出ているくらいなので、積雪の有無の割合が逆です。560m岩峰の上部から650m岩峰手前までは雪がついていて夏道は分からない状況です。

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弥三吉峠から弥三吉水のトラバースも樹木が立ち上がり、通過できるルートを探しながら。弥三吉水は湧出部分は露出しています。極楽平からは夏道を辿るようなルート取りはできません。積雪に応じてルート設計して行動しましょう。

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大沢も全体に積雪が少なめで谷が狭く深く感じます。この時期は大沢最上部から岩清水まで羅臼平をショートカットするのが定番なのですが、今年はハイマツはおろかキバナシャクナゲなどの低矮小木群落もすでに露出してしまい横断不可能。積雪の無くなり融雪水が流れる羅臼平の広場から夏道をたどります。

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羅臼平から岩清水までの夏道も一部を除けば露出しています。岩清水からはアイゼンが効いて、と言いたいところですが、この日はプラス気温と日射により雪が腐って膝下まで踏み抜き。二ノ肩雪田上部で雪のつながりも切れていて岩場の夏道を辿る必要があります。

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山頂は溶けては凍ってを繰り返したエビの尻尾に覆われていましたので、登れるか?と思いましたが、氷は縁を覆っているだけで山頂部の岩は露出していました。

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下山時にはさらに雪が腐り山頂直下から太ももまで沈みます。例年ならまだ出ていないはずの岩が露出していますし、ここまで雪が腐ると岩の間に足を挟まれそう。下りなのに抜かる雪に足がつります。楽しみにしていた大沢の急傾斜でのグリセードまったく滑ってくれません。

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極楽平から650m岩峰の上部まではスノーシューに溶けた雪が張り付いてゲタになってしまいましたが、履かないよりはまし。650m岩峰は朝のうち残っていた霜もなくなりすっかり夏の景色と同じでした。

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例年より雪が少なく融けるのも早いとは言ってもまだまだ冬山です。24日は天気も良く気温も高かったのでアイゼンやピッケルは山頂部分でしか出番がありませんでしたが、まだまだ気温が低い日があることでしょう。冬山装備と積雪期のルート判断ができるように準備をして登山を楽しみましょう。

(滝澤:JMGA登山ガイドIII)