北海道山岳ガイド協会では安全なガイド業務のための、そしてガイドの健康のための様々な取り組みを行ってきています。今回の総会では実技講習1件、机上講習3件も行われました。
北海道各地で活動する日本山岳ガイド協会認定のガイドが夕張市に集まり、二日間にわたり研修会と総会が行われました。
第一日目午前中は研修会としてレスキュースケッドの講習会。低体温パッケージからスケッドストレッチャーへの収納、各種搬送方法を学びま、最後は急傾斜地の引き上げと降ろしのデモンストレーション。スケッドストレッチャーは道内では警察の山岳救助隊の配備されてきたほか網走地方でも遭難対策協議会で配備してもらったので訓練も行ってきていましたが、ガイドの視点での注意点など学ぶところ大きかったです。
午後の机上講習会その1は直近の山岳遭難事故の報告で事故発生状況から対応まで詳細に行われました。
机上講習会その2では、遭難事故に立ち会うなどしてガイドに生じる惨事ストレスとその対応について学びました(講師:岡山大学ヘルスシステム総合学科学域教授 原田菜穂子 氏)。自分自身の遭難事故対応後に生じていた心身の動向について思うところありました。
第二日目は総会。100名を超えた登録会員数のうち80名近くが会場に集まるというのが北海道山岳ガイド協会の仲の良さと団結力を物語っています。
総会後に机上講習会その3としてプロガイド向けヒグマ講習会(講師:合同会社ワイルドライフプロ代表 葛西真輔 氏)。知床でのガイド中は常にヒグマを目撃、遭遇するようになってしまいましたが、道内の他の山々でも従来と違うヒグマの行動が見られるようになったのではないか、ということから企画された講習会でした。
全日程集合後、これからの一年の安全についてお互いに思いを新たに解散となりました。
(滝澤:北海道山岳ガイド協会 理事・JMGA登山ガイドIII)