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2023.6.11 羅臼岳

大沢の雪渓もずいぶんとなくなってきました。滑落や踏み抜きに注意を。

仙人坂から銀冷水に残っていた残雪はほぼ消滅。銀冷水入口付近ともう一ヶ所に残るのみとなりました。

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銀冷水から大沢入口までの登山道も通行できるようになり、途中2ヶ所の沢型に雪渓が残っています。前後の登山道から雪面の上り下りは高い位置に向かって。まだ雪があった時点での古い踏み跡が谷側についてしまっていますが、それを辿ると踏み抜きや登山道のフチを踏み崩すことになります。しっかりとステップを切っていきましょう。

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大沢は早くもところどころ登山道が露出してきました。登山道と雪面の境目は氷で滑りやすくなっているか、段差で踏み抜きやすくなっています。

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第一の岩場は完全に露出し第二の岩場も出ています。古い踏み跡を辿って直登している方もいますが、第二の岩場は大きな落差がある場所で踏み抜くと危険です。右岸側(下から見上げて左側)が融雪後に登山道が出てくることになるので、そちらを登降してください。登山道の位置に沿ってガイドロープも展開しています。なお、このガイドロープは植生保護のため登山道を明確にするのものであり、つかまって登降するためのものではありません。ロープや支点に強度はもたせていませんので、ひっぱたりぶら下がったりした場合、ロープが切れたり、支点にした枝や鉄ピンが抜けて飛び落ちてくる可能性があります。

2023-07-19-33

今年も道内ではヒグマとの事故が発生しています。そもそもヒグマの生息密度が高い知床。知床連山の登山中でも遭遇する可能性はたかいものです。

この日も子ども2頭を連れたヒグマが羅臼平方面から登山道を歩いて大沢に降りてきました。こちらは鈴も鳴らして行動していましたが、どんどん近づいてくるので、声かけと大きく手を振ったところ、約50m先で気がついたようです。こちらを気にしつつ躊躇しているようでしたが、急にこちらに向かって10mほど駆け寄ってすぐ戻りました。そのあとは少しずつ上部に向かって移動していき、登山道を外れて三ッ峰方面のハイマツの中に入っていきました。

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森の中なら自分とヒグマの間に木を挟むなど障害物を置くことも考えられますが、雪渓の上は遮るものがなく、こちらが斜面の下。ヒグマが走ってきたら数秒で到達することになります。さらに悪いことにこちらが風下でした。ヒグマがこちらの確認に手間取った要因でしょう。また、もしカウンターアソルト=ヒグマ撃退スプレーを発射する事態になっていたら、風にのった内容物で自分が先にダメージを受けたかもしれません。

知床で行動するときはあらためてヒグマへの対策の確認を。カウンターアソルトをザックのサイドに取り付けている方を見ますが、ザックを降ろしている猶予はいただけないと思いますよ。岩尾別登山口などでは遭遇情報なども案内板で紹介していますから参考に。

(滝澤:知床山考舎)