6月1日に清岳荘までの道路が開通した斜里岳清里コース。昨年(2020年)につづきとても残雪が少ない状況です。シーズン初めの登山道整備に登りました。
数年前なら6月上旬といえば下二股の仙人洞や旧道にはスノーブリッジが発達して残っていたものですが、昨年につづいても今年も沢の中の雪は少ないです。
渡渉で対岸に渡る箇所で雪が残っているところはありますが、スノーブリッジを渡らなければならないのは万丈ノ滝の下部だけ。そこさえも数日たたずなくなるでしょう。
見晴ノ滝の下部は右岸(下流から見たら左側)に登山道があり、スノーブリッジ上を進みます。写真には左岸(写真右側)からスノーブリッジを渡ったトレースが残っていますが、6日以前のものでしょう。6日には右岸の登山道も見えているので渡ろうとする方はいないでしょうが。。。
山全体の残雪も少なくなっているためか融雪時期なはずなのに水量は少なく、この日は全く靴への浸水も表面の濡れもなく上二股まで登ることができました。
上二股の広場もほぼ出ているのでここを見失っての旧道へ誤って下山することはないでしょう。上二股から胸突八丁の登り口までは雪渓ですが、すぐに夏道が出て馬の背直前の急傾斜のガレ場に雪がついています。
馬の背平坦部の東側はすでに広場が出ていますが、山頂への登り口は雪が残っています。これを一段登ると山頂まで積雪はありません。
新道途中の竜神の池もコンコンと湧いてはいますが、樋状の水路から流れ落ちる水量は少なめ。沢を渡る登山道部分2箇所の雪渓も少いです。熊見峠のあるハイマツ帯の尾根は雪はなく、下二股への連絡路の残雪もほぼなくなっています。
登山者に聞き取りをすると旧道を降りるという方が多く驚きます。登ってきた旧道を下山することに危険を感じないか聞いてみると、ほぼみなさん自信がないといいます。新道は登りかえしが多いとか時間がとてもかかるらしい、ということでネット情報や当日に旧道を降りて新道を降りていない方の話を聞いての判断が多いこと。その人が降りることができても自分はどうなのか?時間やルートの下調べとのすり合わせは?など、考えさせられます。地元のきよさと観光協会では事故防止のために下りは新道を通ってもらうようにしています。
この日、ヘリコプターによる収容や沢への転落などの遭難事例が発生しています。
(滝澤:知床山考舎 代表)
GWは大変お世話になりました。今でも思い出しては楽しんでいます。斜里岳、旧道で登り新道で降りる、肝に銘じました。ピストンの方が知っている道を降りる事から自分としては安心感があり安全と決め付けていました。これからは下調べで入念に情報を収集してルートを決めていきたいと思います。
追伸)なんか忘れ物をしたような感覚が。次は斜里岳をよろしくお願いします。
コメントありがとうございます。
国内に多くの登山ルートがある中で日本百名山になっている山のルートがこれほど独特なところもない、というのが斜里岳になります。
沢を渡渉、と一言で説明しても、聞くと見るとは大違いで、ましてや整備された登山道中心に登山されていて、沢登りや岩登りの経験の少ない方々からは、過酷、という感想をいただくことも。。。
斜里岳への挑戦、お待ちしています!
(滝澤)