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2021.4.29 羅臼岳 岩尾別ルート

ゴールデンウィーク初日の羅臼岳はとても天気よく楽しめました。

昭和の日の祝日、ゴールデンウィーク前半で唯一天気の良さそうな予報ですから、岩尾別登山口も混むかな?と思ったのですが、この日の入山者は我々の他は1パーティー1名のみ。

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雪どけは進み弥三吉水まで断続的に夏道が出ている状態になりましたが、残雪に惑わされている登山者の足跡も見つかります。弥三吉峠付近から弥三吉水までは雪で寝かされている木々を跨いだり潜ったり迂回したりが必要です。

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極楽平から銀冷水、大沢までは積雪期ルートで。気温が上がってきて大沢の雪も腐ってきます。大沢はヒグマの足跡と並行して進みました。

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羅臼平の広場はシャーベットの沼のようになり水が流れています。

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岩清水からはアイゼンとピッケルで。表面の雪はザラザラですが、すぐ下に硬い氷もあります。

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山頂からの大絶景にクライアントの歓喜の叫びが響きました。この日の羅臼岳山頂は南西ルンゼから登ってきたBCスキーヤーの方が多かったです。

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山頂から銀冷水まで一気に降りてきて一休み。雪はさらに緩んできましたが、大きく踏み抜くことが少なく快適に下山できました。さて、4日間貸し切りのクライアント、明日30日は大荒れになる予報ですがどのような計画に変更しましょうか?

この日はツボ足、スノーシュー、アイゼン、を使い分けしましたが、アイゼンを使う方に守っていただきたいことがあります。登山道がすでに出ている場所ではアイゼンを脱いでください。ただでさえ雪解け水を含んで脆弱になっている路面や植生帯をアイゼンの爪で耕すことで土壌が流出します。また、現状で断続的に路面が出ている560m岩峰から弥三吉水の間はツボ足でもキックステップで通過可能な状態ですから、弥三吉水まで下山してきたらアイゼンは収納を。北海道では登山道が雪に覆われている時間が長くて植生の時期が短いこと、損傷した植生の回復は遅いこと、羅臼岳では流出した土壌を回復させるための上流部から自然に供給されることが難しくなってきています。永く登山を楽しめるように登山者一人一人が一歩一歩を大事に楽しんでいきましょう。

(滝澤:JMGA登山ガイドステージIII)