羅臼町の宿「知床サライ」をベースにした西遊旅行の今期2回目の知床連山縦走ツアー。
ガスの中で第1日目のスタート。景色も見えずちょっと残念な歩き出しでしたが、赤く実ったナナカマドに癒されながら銀冷水まで登ると青空になりました。羅臼岳山頂からは全集見渡せます。
羅臼平でテント泊。岩清水は滴りはほぼ無くなっており、前回は採水できた羅臼側の雪渓も今回はもう無理。
三ッ峰テントサイトの水場でかろうじて採水できたものの、雨が降らなければ今後は難しい状況です。
第2日目、三ッ峰を越えて凹地の雪田群落ではタカネトウウチソウの甘い香りが。
高山植物は今回はイワギキョウやエゾオヤマリンドウがメインでしたが、遅くまで雪が残っていた三ッ峰やサシルイ岳の雪田、雪渓だった場所ではエゾコザクラやチングルマ、アオノツガザクラが咲いたばかりのところも。
景色が見えない分、出てくる高山植物を全て写真に納めようかという意気込みです。
二ッ池の天の池は以前より乾いてしまっていましたが、地の池も3つの水溜り状態に。湖底に藻が発生していて見た目そのまま飲みたい雰囲気ではありません。
昨日は水が十分に確保できず最小限の水量だったので二ッ池で補充。時間をとって休憩。ちょうど青空になって日差しも暑いくらいに。
いつも強風に悩まされる風衝地もこの日は風力6〜7、風速15m/s程度。風対策をした上で無事通過。知円別分岐も同じくらいの風でしたが、中の廊下になると風力4くらいで問題なく通行できました。
中の廊下からここまで歩いてきた山並みを振り返ります。
第一火口テントサイトは風もなく水もたっぷり。気持ち良くくつろげました。残念ながら昨日から酷使した浄水器が目詰まりを起こして飲料水作りは手間取りましたが。
天候の悪化を予期して予定より早めに行動してガスの中を硫黄山に登頂。硫黄川に入ってから雨となり、二つの滝の通過とその後の沢の中の行動はフィックスドロープを展開したりと緊張の連続となりました。それでも時間に余裕があったので新噴火口で噴気孔やそこにできる硫黄の結晶を観察するのに寄り道するなどして楽しむことができました。
お花の好きなみなさまからは、今回は葉しか見られなかったシレトコスミレの花が見たい、という声が上がっていました。初夏の知床も一緒に楽しみたいですね。
(滝澤:JMGA登山ガイドステージIII)