箸別コースから暑寒別岳には登ったことがあるお客様でしたが、雨竜沼湿原に行きたいということでロングコースの縦走を計画しました。
雨竜沼湿原ゲートパークを出発。二つの吊り橋を渡って。木道が整備された湿原はワタスゲやエゾカンゾウ、ヒオウギアヤメが咲いていました。
湿原から南暑寒岳にとりつきます。すぐに展望台があり楽しんだ湿原を振り返ります。
ネマガリダケが刈り払われた登山道が続きます。幸いこの日は空気が動いていて涼しかったです。
南暑寒岳までは予定していた時間で到着。お客様はOVER70ということでタイムは1.5倍ほど見込んでいます。山頂から伸びるロープに助けられながら急な斜面を最低鞍部に向かって降ります。たまたま山頂で一緒になった岳友に写真いただきました。ありがとう。
南暑寒岳を背後にネマガリダケのヤブ漕ぎが延々と続きます。登山道自体はありますが、完全に被っていますから、お客様の背の高さでは視界無し。
ちょうど尾根上は雲の中に入り、涼しいのには助けられましたが、展望が効かないのは寂しいところ。
それでも時々切れ目から南暑寒岳や湿原が姿を見せてくれました。
何よりも山頂が近くになるにつれてお花の姿が出てきてくれて嬉しくなります。
崩れやすい崖の際を通過して最後の急傾斜を登りきると。。。
なだらかなお花畑が広がっています。
暑寒別岳に到着。予定の時間から遅くなってしまいましたが、お客様は前回の思い出話も。
増毛町方面に下山を開始して分岐から箸別コースへ。急な斜面一面がお花畑でした。
急傾斜が終わると長い緩傾斜の尾根が続きます。
尾根にかかっていた雲が抜けて雨竜沼湿原も南暑寒岳から続く長い尾根も振り返ってみることができました。高山帯から樹林帯になるころにはヘッドランプを灯して行動。お客様の体力や気力など折込済みだったとはいえ、避難小屋のある箸別コースの登山口到着はすっかり夜になってしまいました。
昨年はトムラウシ山からオプタテシケ山への縦走を成し遂げていたお客様ですが、年々歩けなくなるとおっしゃいます。でも、行ってみたいところがある、と。それに応えて計画して実現できるようにするのもガイドの仕事でありやりがいでもあります。
(滝澤:JMGA登山ガイドステージIII)