三年前の海別岳は荒天で別な山に計画を変更したクライアント。今回のあらためての挑戦は最高の展望が待っていました。
三年前2017年は行動時間や半島部の風が強かったために藻琴山を登りましたが、今回は計画どおり海別岳に。予備日も一日用意して臨んだ甲斐あり、歩き出しこそ雲がありましたが、樹林帯を抜ける頃には快晴に。風もほとんどありません。
雪が少ないために樹林帯の中は細かい沢状地形や細い樹木が埋まっておらずに迂回が多く、標高700mをこえてダケカンバ・ハイマツ帯については、通常よく使う尾根の南側からではハイマツが立ち上がっているのが我が事務所から見えていたので、尾根の北側を通りましたが、こちらはこちらでダケカンバの小木が積雪に隠されていないので迂回したりくぐったりでした。
標高900mあたりは例年はウィンドクラストと吹き溜まりで雪面は平坦になるのですが、今年はダケカンバがむき出しで、積雪も薄いのでハイマツの踏み抜きで苦しいアルバイトです。眼下に広がる流氷のオホーツク海や斜里岳の姿に励まされながら標高1100mの通称ヘリポートに。ここからまっすぐ上がろうとするとハイマツにエビの尻尾が付いたコブだらけで、これは踏むと崩れて踏み抜きます。
クラストして踏み抜かないところを選んで回り込んで北陵へ。
北陵はいつもながら風が抜けていますが絶景。国後島や野付半島、知床半島を挟んでウトロと羅臼の両オホーツク海に広がる流氷原を堪能できました。
迂回や踏み抜きで行動時間もくっているので今回は北陵まで。風の当たらないところまで下山して斜里岳や小海別岳、藻琴山、阿寒の山々を見ながらのティータイム。
下山時は登りのトレースを辿ってハイマツの踏み抜きに注意しながら。なにしろ踏み抜くと太ももまで落ちますから新しいところを歩くのはちょっと。
早朝から歩き始め日没直前に下山。おつかれさまでした。
樹林帯には良い感じで雪が入っている斜面もありますが樹木がうるさく、ハイマツ帯はスキーで滑るようなコンデションではありません。バックカントリースキーには残念なシーズンです。
(滝澤:JMGA登山ガイドステージIII)