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2019.9.1-4 幌尻岳〜戸蔦別岳

初秋の幌尻岳。額平川の水量も少なく、幌尻山荘も多くの登山者でにぎわっていました。

もともとはカムイエクウチカウシ山へ八ノ沢から沢登りで登る予定だったのですが、ヒグマとの遭遇事故で入山自粛となったことから計画変更。直前でしたが幌尻山荘などの予約を何とか滑りこませることできました。幌尻岳に登るなら戸蔦別岳も周るだろう、というクライアントなので、アタック日を丸一日とっての計画。9月1日にとよぬか山荘に前泊して9月2日は幌尻山荘まで。

シャトルバス、林道歩きから取水ダムから入渓。昨年流されてしまっていた橋やダムの設備はすっかり新しくなっていました。水量も少なく予定していた時間よりも早く幌尻山荘に到着できました。青空に雲が早く流れていきます。明日はもっと良い天気になるだろうというのが私も含めみんなの予報でした。

が、9月3日朝はガスと雲。戸蔦別岳を周る我々はピストンの方々より早めに出発。朝露というよりガスで濡れたハイマツの枝葉が冷たい中、カールの中に入ります。風が動き出してガスが抜けていきます。北カールを駆け上ってくる風はどんどん強くなり体感気温は5度を下回り、今シーズンはじめて手がかじかみます。

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山頂に着く頃には青空に。山頂の東カール側は風も当たらず陽射しがポカポカです。日高の山々も山座同定できるようになってきました。

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肩へ移動して七ツ沼カールを見ると渇水期のこの時期に小さな沼には水が溜まっていました。急斜面の登山道を降りて山頂を振り返ります(トップの写真)

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戸蔦別岳への登りに差し掛かる頃にはカムイエクウチカウシ山方面も七ツ沼越しにすっきり見えるようになりました。

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戸蔦別岳と北戸蔦別岳の間の分岐から急な登山道を降下。六ノ沢出合から入渓して幌尻山荘に戻りました。足の速いクライアント、ほとんどの幌尻岳日帰りのみなさんより早く下山できました。

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9月4日はゆっくりと下山。青空が抜けて気温もさらに下がったのでしょう、昨朝よりヒンヤリとします。帰路の沢も順調に下山。一時間強で取水ダムまで降りてしまいました。

林道ではカツラの木の甘い香りと色づき始めた葉に秋を感じました。百名山というよりも面白い山を、挑戦しがいのある山を、というクライアントの鼻唄が聞こえてきました。

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幌尻山荘、02時くらいから準備を始める方がいて落ち着きません。04時くらいにこちらも準備のために起きて外に出ると、ヘッドランプをつけて準備が終わったのに歩き出していない方もいます。ヘッドランプで沢の流れを照らしても足元が見ずらいですからね。太陽が出て足元が見えるようになる時間はこの時期は4時半過ぎ。早めに準備をはじめるのも良いですが、手早い準備ができるようにすることで自分や同宿の方々の安眠に配慮できる余裕が欲しいものです。

(滝澤:JMGA登山ガイドステージIII)