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2019.6.4 羅臼岳 岩尾別コース

少ない積雪と早い融雪で羅臼岳大沢の雪渓はこの時期にほぼ消滅。早い融雪により降雨による土砂流出など被害が出ています。

岩尾別登山口からお花が次々と咲いています。この時期にこんなに咲いてしまっては7月になったら何も咲いてくれないのでは、と不安になります。

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何しろ極楽平ではもはやナナカマドまで咲いてしまっていますから。例年なら雪が残り急斜面のトラバースとなる仙人坂も夏道が出ています。仙人坂から銀冷水への登山道は所々が雪に埋まっていますが6月中旬までにはなくなるでしょう。なお、この日、登山道のカーブが雪で覆われた箇所を直進して道を外れ、沢型に入って道迷いしていたパーティーがいました。

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今年2019年6月4日の大沢

例年なら7月中旬まで雪渓が残る大沢ですが、こちらも第一の岩場の下部と第二の岩場の下部に残るだけ。比較に昨年の大沢はこちら。

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昨年2018年6月10日の大沢

お花畑の表土が早い融雪により安定する前に雨が降ったことで流されています。残雪の上に土砂が乗った部分は融けずに残るので、その部分のお花畑も影響を受けるでしょう。

水流により登山道などが水路になり深くえぐれてしまいました。特に今回は道を外れて踏み荒らされて道状になった箇所の被害が多く見られます。道を外した登山者の行動の積み重ねは、直接的なインパクトに加え、時間差や環境の変化により一気に大きな崩落につながることがわかります。

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昨年2018年に環境省により整備された大沢第一の岩場下部の登山道は従来の沢の真ん中ではなく右岸(下から見て左側)にルート設定されています。従来より早く雪の上に出ることが期待されましたが、それは成功といえるでしょう。写真左側の石組みが新ルートです。中央に縦に黒く流れているのは流出した土砂です。

沢の中は土砂の流出により惨烈な様相ですが、斜面にはエゾコザクラやジムカデが。また、羅臼平もキバナシャクナゲが満開で、メアカンキンバイも咲いていました。

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冬囲いしていた銀冷水の携帯トイレブースも解放。ブースは使用できますが登山口の回収ボックスは斜里町による設置がまだなので、しばらくはお持ち帰りになり処理してください。

知床山考舎は環境省から今年度の羅臼岳登山道維持管理工事を請け負いました 。岩尾別登山道の整備に関して情報などありましたらご連絡ください。

(滝澤:知床山考舎 代表)