憧れの幌尻岳。雷雨で停滞した甲斐があり素晴らしい展望に。
知床山考舎のスケジュールプランでは毎年のように幌尻岳を計画していますが、今回参加のお二人のうち一人は、秋にプランをお送りしてすぐにお申し込みいただきました。憧れの山ということでワクワクです。もう一人は直前にご連絡をいただきましたが、ちょうど幌尻山荘も空いていました。リピーターとはいえ初対面のお二人との幌尻岳となりました。
とよぬか山荘で前泊して、21日はのんびり午前7時のシャトルバス第2便。2時間強の林道歩き。取水施設にもう到着という所で沢の中に橋の残骸が。。。話では聞いていましたが取水施設手前のグレーチングで川面が素通しに見えていた橋が流されていました。足元を沢装備にして渡ると、取水ダムもあちこち壊れていています。沢の中も流れが変わったり河畔林が無くなっていたりと様相が変わっています。
沢の対岸でヒグマが歩いています。キツネでしょうか、動物を咥えて。林道ですれ違った単独行の方の話では、ヒグマが川の両岸を行ったり来たりして、人間がいることを気にしていないようで足止めを食った、とのことでした。場所的に間違いないようですから、この獲物を追いかけ回していたようです。
2時間強で幌尻山荘に到着し外のシートでくつろいでいるとポツポツと雨が。時折強くなりなりながら降り続けます。翌22日は朝一番で山荘から下山を開始したパーティー以降は川止めでシャトルバスも運休。昼前には雷雨となり、水も濁り水位も高くなりました。我々は幌尻岳アタックの日でしたが、停滞です。山荘でのんびり過ごしました。
23日、山頂へアタック。本来は幌尻岳から戸蔦別岳を回ってくる計画でしたが、雨で戸蔦別岳からの急な下りが滑りやすくなっていること、六ノ沢からの沢行動にはまだ水位が高い、という判断で、幌尻岳の先、七ツ沼カールを見渡せる場所まで足を伸ばしての往復としました。他のパーティーは山頂往復して17時のシャトルバスに間に合わせて下山するということで早出でしたが、私たちはもう一泊するのでのんびり出発です。
登るにつれて雲が晴れてきて青空も広がってきました。広い北カールに感動。本格的な秋にはまだ早く、高山植物もまだ楽しめました。標高1900mを越えると強風で時に姿勢を崩しながら山頂に到着。夕張岳方面、ニペソツ山とウペペサンケ山、雌阿寒岳と阿寒富士、もちろん日高山脈の緊張感のある尾根がずっと続いているのが見えます。
一休みして七ツ沼カールを覗きに。十勝平野が見えてきます。静かなカールを見下ろすと、今回の雨で満々と水が湛えられた沼の湖面がわずかに青く見えていました。(写真はトップにあります)
のんびり下山すると今日入渓したみなさんが到着していました。24日アタックして下山する方々ばかり。24日午後から台風20号からの温帯低気圧のために雨となり川止めは必至な状態です。
我々は24日11時のシャトルバス第2便なので5時幌尻山荘出発にしていたのですが、アタックしてから下山するみなさんが、昨晩確認した起床時間を急遽早めて動き出したので寝ていられない^^。ヘッドトーチを点けて登っていくみなさんを見送って、足元が見えるようになる4時半まで待って下山開始。
雨が止んで丸一日経って水位は下がってはいましたが、登って来た時はお二人の股下だった水位は腰高になっていました。取水施設の橋が流された地点は我々は難なく渡渉できましたが、一昨日下山したパーティーによると渡渉地点を探して苦戦したとのことでした。秋に橋が直されるまでは増水時は課題になりますね。
幌尻岳振内コースは、沢登りの知識や技術、幌尻山荘やシャトルバスの予約、川止めによる停滞など事前に準備しなかればならないことや計画変更に伴う日程確保などが必要です。そのあたりを苦手に感じて新冠側やチロロ側からのアタックを選択する方も多いですが、きちんとコントロールできれば振内コースが体力的な負担も軽いし快適でしょう。知床山考舎では装備のレンタル、停滞も考慮した登山計画などで憧れの山をガイドしますよ。リピーターのみなさんには来年もスケジュールプランをご案内する予定です。もちろんプライベートでのご依頼もお待ちしています。
(滝澤:JMGA登山ガイドステージⅢ)












