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2017.10.11&14 羅臼岳

夏山シーズンを締めくくる登山道整備で羅臼岳岩尾別コースへ。秋から冬に移り変わってきました。

10月11日は大沢に展開していたガイドロープの撤去と回収。

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外す必要があるの?と聞かれることも多いのですが、大沢の登山道から雪が消えはじめるのは6月下旬。ほとんど露出するのは毎年7月下旬。それまでは断続的に路面が出たり雪に隠れたりしています。ロープを残したまま冬を越すと、凍って切れてしまったり、融雪時期は雪上を行動するのに不適当な場所に露出して道迷いの原因になったりします。

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11日は大沢から凍結。地面にはさらっとアラレが。石や鉄ピンにはエビの尻尾が発達しています。鉄ピンとロープの接続部などは凍ってしまうと回収不能となるので、これ以前の整備時に結び目を解いてありました。どんどん袋に詰め込んでいきますが、凍っているのでバキバキと折れ曲がり、コンパクトに入りません。乾いていれば1袋に収まる長さのロープは2〜3袋になりました。

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14日は銀冷水の携帯トイレ用ブースの冬囲いへ。岩尾別登山口からしばらくは紅葉も最終期の彩り。極楽平のダケカンバの黄色が鮮やかだった紅葉(黄葉?)も落ちて枝や幹の白が目立ち始めました。

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アラレも銀冷水が近くなると本格的な積雪に。銀冷水の携帯トイレブースは積雪期にはすっかり雪の中に埋まってしまいます。春に姿を見せるのは5月も下旬になってから。屋根の踏み抜き防止や融雪期の浸水防止のためのシートの巻きつけなど冬囲いをしました。作業している最中にヒグマが近くまで来ていたようです。下山をはじめて足跡があるのがわかったのですが、仙人坂方面から登山道を歩いてきて銀冷水まできたところで、きっと我々が作業していたので引き返し。近くの沢型から上部に向かっていました(トップの写真の足跡)

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この日は我々は銀冷水まででしたが、岩清水まで登ったパーティーによると、大沢で積雪50cm、羅臼平から岩清水のハイマツの中の登山道は吹き溜まりや地形により腰まで埋まったそうです。

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羅臼岳を登るためには積雪期装備が必要なシーズンになりました。また、夏装備の方も見えますが、積雪があること、日照時間が短いことなど考慮した行動が必要ですよ。

(滝澤:知床山考舎 代表・JMGA登山ガイドステージⅢ)