バージョン 2

2016.4.9 山岳遭難捜索救助訓練

網走地方山岳遭難防止対策協議会の捜索救助訓練が東岳で大規模に実施されました。

今回の当番山岳会は羅臼山岳会。過去の遭難事例をベースに迅速な捜索と救助をテーマに、構成する山岳会、北海道、警察、消防、自衛隊による過去最大の60名余の規模で行われました。

捜索班は山岳会3-5名+警察1-2名+陸上自衛隊2-3名の合計8名規模で構成された5班編成。滝澤もそのうちの班長として捜索にあたらせていただきました。

警察は山岳救助隊としての隊員養成や登山装備の配置が行われていますが、自衛隊の方は装備面で不安があるところです。今回は雪崩ビーコンやプローブは装備されていましたが、ショベルはエンピ(折りたたみスコップ)でした。地面にタコツボを堀るためのスコップですからデブリもガシガシと掘れるでしょうが、面が小さいので実際に掘るには効率は悪かったでしょう。また、一番のネックは行動時。自衛隊員はスノーシューだったのですが、山岳会と警察は山スキーだったのでスピードやコース取りに気をつかいました。実際の遭難対応では足元別に班編成することなるでしょうが、自衛隊員からもこれくらいの斜面を登るのなら自衛隊のスキーでも大丈夫だろうが滑る方は個人差があって不安、など話が出ていました。また、スノーシュー自体もMSRのデナリ(廃盤ですね)を一回り小さくして爪を短くしたようなモデルなのですが、これが埋まる、滑る、靴がずれてあずましくない。シビアな斜面に入る前にフィッティングなどついついアドバイスしてしまいましたが、民生品に比べると快適、確実に斜面をとらえる作りになっていないので山岳域では辛いですね。

訓練の方は想定時間より早めに開始でき、早めに終了。当初の目標をクリアしました。関係各機関の連携も想定していた以上にできたようです。各班、各員それぞれにできたところ、おもわしくなかったところを落とし込んでいきましょう。確認したかった部分や不安だった部分などは訓練できてよかった、そして、まずかった部分も訓練だからよかった、ということで効果確認を!

(滝澤)