logo2024

羅臼岳ヒグマ事故をうけての知床山考舎の2026年のガイド対応(2026.3.26 更新)

知床登山道における今後のヒグマ対策について3月25日に決定がされたのでお知らせします。残念ながら今の段階では、いつから利用再開になるのか、これまでとどのように違うのか、などを具体的にお知らせできる状況にありません。

  • 行政側が決定した、というのは基本戦略と各施策の概要でしかない
  • 具体的な中身や周知方法はこれから決められるので、今の段階で登山者や関係者にお願いしたり周知するべき内容は決まっていない
  • 登山道利用は7月上旬の解放をリミットとしている

以上をふまえ、知床山考舎としては現在の状況で2026年6月から7月上旬に羅臼岳や知床連山縦走のガイド登山の催行を見通すことは困難であると考え、ご予約いただいたお客様には計画の中止や変更をお願いすることといたします。

航空券や宿泊などお客様でご手配いただく部分への影響を考慮すると、すでにご手配いただいたみなさまにはキャンセルする必要が生じます。またこのあとで予定が前倒しになるやもしれませんが、あらためてでは宿などの予約ができなかったり航空券が高額になるなど不利益が生じることでしょう。楽しみにしていたみなさまにおかれましては、たいへん申し訳ございませんが、ご理解ご承諾をいただければ幸いです。

具体的なお手続きなどについてはお客様それぞれに個別にご連絡させていただきます。

(知床山考舎 代表 滝澤大徳 2026.3.26)

かねてより3月に結果をお伝えすることができるとしてきたこのことですが、3月25日に羅臼町内で開催された 令和7年度 第2回 知床世界自然遺産地域連絡会議 で決定がされました。

しかし、今回決定したとされるのは、行政としての基本戦略と各施策の概要であり、具体的内容はまだ決まっていない状態です。

つまり登山する者として知りたい

  • いつ解放されるのか?
  • 今までと何が違うのか?

等の具体的内容は、これから各関係機関により進められることとになります。

滝澤(今回の会議は斜里山岳会副会長の立場で出席)から「登山者、登山道利用者が最も知りたいのは、いつ登山道が開くのか?ということだ」と質問したことで、「7月初めを予定。羅臼岳山開き(5日予定)をリミットとして、準備が出来次第前倒しする」という回答をようやく引き出しましたが、登山利用するにあたり今までと違う部分、つまり、これからはこうなる、という部分は時期も含め具体的にお知らせできるものはこれから準備されます。

一般登山者であってもすでに夏山シーズンに向け計画を立てて航空機や宿の手配をしていること、登山を取り巻く観光業、旅行業、運輸業では秋から計画を醸成し春には集客を始めていることから、今回の一連の会議のスピードは遅すぎることを訴えてきましたが、3月に結論が出るというのは、結局は行政側が例年年度末に実施される今回の会議で決定するためのタイムスケジュールありきのものでした。

会議の場で、関連する一連の会議でも、自然環境、天候の変化により融雪時期が以前と変わり6月中旬には羅臼岳大沢雪渓も縮小するようになったことで夏山シーズンは前倒しになっていること、実際、これもまた一連の会議で6月の登山者数が増加しているデータもあること、なによりもシレトコスミレという知床連山登山のもっとも重要なメインイベントは6月下旬から7月上旬の期間であること、から登山道の利用ができる期間を前倒しできるよう、スピード感を持ってどんどん決めることは決めていってほしい、とは伝えました。

ただ、今回の会議で行政としては一区切りとなってしまい、4月から新年度となり担当者が異動になるなどして業務が滞る事態が往々にして発生すること、新規事業の契約事務手続きはゴールデンウィーク明けになることが多い、行政としては7月上旬を目処にしているのでそれに合わせた予定しか組まないだろうこと、が予想されます。


【みなさまにお願い】

ヒグマと共生する知床の環境を維持していくためには知っておくべき知識、取るべき行動を明確にして、それぞれの人間が責任ある行動ができるようにするべきです。今回の一連の取り組みは、登山者のトレンドや考え方が変わってきている中で「責任ある行動ができる登山者」として、クマに関することを強く意識することが求められるということであり、これは評価すべきです。

しかし、いかんせんタイムスケジュールの設計が遅すぎですし、登山者とそれを取り巻く事業者への配慮が足りていないと感じています。

知床山考舎 滝澤はこれまでの会議でも、岩尾別、羅臼温泉、硫黄山の知床連山縦走路でつながる全ての登山口の解放時期について、硫黄山登山道に通じる道知床公園線の冬期通行止めが解除になる6月1日に合わせてはどうか、と提案してきました。

7月上旬を目処という遅すぎるスケジュールを少しでも前倒ししてもらえるよう協力するところは当然として、登山者側からそれを求めるアクションが必要と考えます。

行政側は安全を最優先に、と言いますが、そもそも、登山を行う上で安全に配慮することは大前提であり、ヒグマに関しての対応の枠組みが決まったというのであれば、そのための具体的な部分を粛々と組み上げていく作業に移るということであり、そのための予算の確保は11月あたりから行われているはずです。そうでなければ4月以降の予算執行ができないのですから。

行政側が遅延のいいわけをできるのはここまでです。登山道の早期利用再開のために何ができるのか、みなさまのお知恵を拝借することができれば幸いに思います。


(知床山考舎 代表 滝澤大徳 2026.3.26)

 

これまでの動きはこちらをご覧ください。

羅臼岳ヒグマ事故をうけての知床山考舎の2026年のガイド対応(2026.2.20 更新)