知床連山を縦走したので残雪の状況などをお伝えします。
岩尾別登山口から極楽平までは残雪なし。平年なら小さな白いお花の時期ですが早くも青い色の花々も咲いています。極楽平ではナナカマドも開花しています。仙人坂では一箇所、急傾斜のトラバースとなる残雪が残っています。銀冷水までの間もわずかに残雪がありますが、平年のように道に迷うような残り方はしていません。
平年なら羽衣峠からすぐに大沢の雪渓に入って行動できる時期なのですが、今年は夏道のまま大沢入口まで行けます。途中2箇所の沢型に雪渓が残っているとはいえ残雪が全体に少ないのがわかります。大沢の第一の岩場の岩は露出、第二の岩場では雪渓上に何本も割れ目が生じています。雪渓自体は羅臼平入口まで続いています。
羅臼平から三ッ峰に登る雪渓もわずかになっています。反対側の三ッ峰テントサイトへ向かう手前に長く雪渓が残っていますが、テントサイト手前で切れて雪融け水がいっぱいです。テントサイトは北東側はまだ雪が残っていましたが、南西側は乾いていました。
サシルイ岳南西側斜面のスコリアがずいぶん流下しています。早い時期の融雪などで一気に流下したようです。北側の雪渓は平年より少なめ、薄め、ですが大きく残っています。
ミクリ沼は雪に隠れていますが前後の登山道周辺は水に覆われて湿原状になっています。
オッカバケ岳北側斜面に大きく雪が残りロックガーデンの下部まで続いています。今後の融雪で植生が立ち上がって積雪が分断されると登山道の出入り口がわかりづらくなるでしょう。二ッ池は地の池は満水でほとりの登山道も冠水していますが、テントサイトは乾いています。
南岳から知円別分岐の間も平年であれば残雪のあるところがあるのですが、今年は2箇所にわずかに残るだけです。
知円別分岐から中の廊下に渡るガレ場の斜面は今年も崩れて歩きづらくなっています。
硫黄山第二前衛峰南西側の急傾斜の雪渓は大きく残っています。今シーズンの残雪は緩いものが多くキックステップで処理できるのですが、この第二前衛峰の雪渓は昼には日陰になるためか硬く凍った部分も比較的に多いので滑落には注意を。
第一火口テントサイトは全面的に雪に覆われています。フードロッカーもまだ雪の下です。テントサイトの西の外れに当たる方に行けば流れができていて水を汲むことができます。
第一火口分岐側と硫黄分岐側を結ぶトラバース部分の急斜面には雪が残っています。
雪渓下部は地面が露出しているので滑落すると。。。
硫黄山山頂に向かう登山道は下部は露出しています。上部はまだ雪があるので雪上で行動できる準備を。周辺の地面はこれからお花畑になる部分です。土壌は融雪で緩くなっているのでひと踏みでお花畑は消滅します。雪のあるうちは雪の上を歩いてくださいね。
尾根大岩から硫黄川を下っていきますが、やはり融雪と降雨で土砂が流下して例年以上に歩きづらくなっています。雪渓は第一の滝と沢出合の中間部の滑床付近まで続いていますが、第二の滝は落口に亀裂が走り大きく水音がしていた注意を。写真の第一の滝はまだ大丈夫そうに見えますが。。。
沢出合から新噴火口への登り返し途中からの硫黄川。雪が少ないですね。
同時期比で全体に雪は少なめ、お花は早めです。昔とは融雪や降雨のタイミングが変わってしまったことで登山道などの土砂の流下も特に目立っています。
(滝澤:知床山考舎 代表)