重ねた齢に応じた山登りを楽しみたい。コースタイムの7割増しの時間をかけてのんびりと大雪山を楽しみました。
毎年いっしょに登山を楽しんでいた友人が急逝されて、故人を偲んでの今回の計画。思い出の山々を結ぶように3泊4日で計画しましたが、9月1日は荒天が見込まれたため2泊3日に組み直しました。実際1日は黒岳ロープウェイも運休となりました。
あらためて9月2日にロープウェイとリフトで黒岳七号目から入山。残っていた雲も流れてニセイカウシュッペ山やアンギラス、平山なども姿を見せてくれました。後から登ってくる登山者に道を譲りながら黒岳石室に到着した頃にはテントサイトは結構キツキツ。
夜には風と雨があったものの02時頃には満点の星空に。9月3日は日の出から最高の天気。赤石川を渡って北海岳に、そして白雲岳に向かうにつれて、北大雪、東大雪、トムラウシ山方面、十勝連峰、日高の山々と大展望が楽しめました。
白雲岳は過去に登ったことがあるそうですが、その時は展望がなかったとのことで、その後も何度か白雲岳分岐は通っているもののアタックすることができなかったお客様。ようやく山頂からの景色を楽しむことができました。
黒岳石室テントサイトを07時前に出発してC2となる白雲岳避難小屋テントサイトは15時少し前に到着。標準的なコースタイムなら休憩を入れても5時間程度ですが、8時間ほど使ってのんびりと。
ヒグマの活動が多く見られたため閉鎖が続いていた白雲岳避難小屋テントサイトは9月1日に再開したばかり。ヒグマの行動を警戒しているのか、暑すぎて紅葉が遅れ気味ということもあるのか、利用者は少なめでした。私たちも白雲岳分岐付近で子供2頭を連れたメスと、はるかに大きいオスと思われる単独の計4頭を登山道から50mの距離にいるのを立て続けに目撃していました。
第3日目の9月4日は故人を偲んで小泉岳を経由して緑岳に。一緒に強風とガスの中で行動したのを思い出します。その時は見えなかった景色を楽しみました。この日も標準的なコースタイムなら休憩を入れても5時間程度ですが、8時間ほどかけました。特に下りが苦手になったお客様にとって緑岳から高原温泉への岩場の下りは3倍の時間をかけてゆっくりと。
縦走登山はもう最後かな、とおっしゃって登りはじめましたが、下山する頃には次の山々の構想が出てきていました。急くことなく無理しない安全な登山をこれからも楽しんで行くことにしましょう。
(滝澤:JMGA登山ガイドステージIII)